2011年01月17日

新聞より拝借

 西日本新聞1/9(27面)、1/16(37面)では、「TPP交渉と農」と題して、山下惣一氏と宇根豊氏の対談記事が載っています。(来週1/23も含めての3回連載)
本題はTPPについてですがお二人の、農の本来を考えさせられる発言が端々に入ってますので、ちょっと長くなりますが、僕の好きな個所を以下に拝借します。(カッコは僕の補足です。)
・・・・・

・(農業界と産業界の利権争いという構図になってしまいがちだが、) 食料の自力生産だけでなく、農地や森林が育む多面的機能や生物多様性も、ガタガタになるぞっていう事実を国民に突きつけ、経済ではないナショナルな価値、あるべき姿を問おう。<1/9宇根氏>

・日本の食費が高いのは、消費者が自分で料理をしなくなったから。国民が年間に支出している飲食費73兆円の内訳は、生鮮が18%、加工品53%、外食29%だ。茶わん1杯のコメは1`400円の品で約30円で、生産者価格はその半分。それなのに高く感じるのは、加工や流通の経費を負担しているためだ。<1/9山下氏>

・昔はどの農家にも家畜がいた。その一部分を拡大したのが今の畜産業。安い飼料を輸入し、大規模・効率化した結果、水より安い牛乳はできたが、一極集中によって、ふん尿公害も起こる。口蹄疫やBSE、鳥インフルエンザが発生したら、被害の方も甚大。生産性重視の飼い方で病気にもかかりやすくなるから、抗生物質も必要になり、作る方も食べる方ももう命懸け。そして地球が壊れていくというのが今の構図だ。<1/9山下氏>

・生産とか生産性とかは、要するに金で換算できる世界。工業から生まれた言葉に尺度を合わせたがために、農業の持つ、直接的に金にならない大事な役割が見えなくなった。それを見えるようにしなければならんときに、相変わらず、GDPがどうだと工業的な言葉で語っていること自体が、時代遅れだ。<1/9宇根氏>

・国は自給率を上げるため麦や大豆を作れ、ほかは作らんでよかと、分業を進めながら、自給率を上げようとしている。でも延長線上には外国分業がある。自給の土台は経済価値ではない。自然、仕事、人間関係、教育とか、金にならないもの、目に見えないものの自給まで考える国家であってほしい。農家も地域も、そこから出直す必要がある。<1/16宇根氏>
・・・・・
 長くなったついでに、おすすめの本を一冊紹介。
本「自給再考 グローバリゼーションの次は何か」2008/山崎農業研究所編/農文協

 「自給」という言葉の意味自体と必要性を問い直そう、という内容です。
宇根豊『自給は「原理主義」でありたい』も収録されています。ご興味のある方は目を通されてください。佐世保市立図書館、たべつむぎ文庫にも1冊ずつあります手(チョキ)
posted by たべつむぎ at 07:45| 食考食思